2015年3月20日金曜日

東京ジャンクZと木ノ下歌舞伎を観たよ!

こんばんは〜。
新宿の映画館で3年半以上も働いているので(シネコンで2年ちょい、ミニシアターでちょうど1年半)、1週間は土曜始まりってついつい考えてしまいます。
土曜が週の頭に来るような“映画館手帳”を作ってほしいと前々から思っている、どうもホリです。
さてさてそんなわけで、今週ももう終わりだー!

そんな今週、「最後のサムライ」終演とともに無事現代に帰ってきまして、最近は読書したり観劇したりで平和なこの時代の空気を享受しております。
読書は筒井康隆の「時をかける少女」とヴォネガットの「スローターハウス5」。
今気付いたのですが、偶然二つとも時間を飛び越えるSFです。
両方とも面白かったなぁ。
ヴォネガットは読むの二冊目で、正直言うと前読んだ「タイタンの妖女」(太田光の事務所の名前になってるアレです)の方が好きだったんですけど、でも「スローターハウス5」読んで、「あ〜ヴォネガット、もっともっと読みたいなぁ」となりました。
「猫のゆりかご」とか「チャンピオンたちの朝食」とか。
まぁ、順番としてはピンチョンの方が先なんですけどね。
あ、明日からはフィリップ・ロスの「さようならコロンバス」を読みます。
ホリ、現代アメリカ文学づいております〜。

そして観劇。
こちらも二つで東京ジャンクZの「100万回生きたねこの野郎」と木ノ下歌舞伎「黒塚」。

まずはこちら。


東京ジャンクZの「100万回生きたねこの野郎」。
早稲田大学演劇研究会に所属する犬と串の後輩劇団でして、今回の公演は「新喜劇」と銘打った番外公演とのことです。
やー、このタイトルもフライヤーデザインからも漏れ出る、ゴテゴテ感、ベタベタ感。
それは幕が開いてもそのままで、ひねりなんかきかせず、捨て身で笑いを取りに来るドロ臭さ。
そういうの、良いですよねぇ。
そんでもって、いっぱい笑っちゃいました。
中でもやられてしまったのは、「島に伝わるバケ猫伝説」をでっち上げる中で唐突に出てくるストームライダー(ディズニーシーにあるやつです)のめっちゃ完成度高いモノマネなんだけど、あれもう一回見たいなぁ。切に、切にもう一回見たいです。
しばらく笑いおさまらなかったもん。

東京ジャンクZ、次回は5月の下旬に本公演があるみたいです。
本公演の方はわりと真面目なのかな…?
楽しみにしています。

そしてそして、二本目は木ノ下歌舞伎の「黒塚」。


スケジュールが想定以上に埋まってあれ?ってなってしまっている最近ですが、
この「黒塚」は11時開演の日があったので、そこにズザザーッ。
ハードルを思いっきし上げて、駒場アゴラ劇場に向かいました。
というのもこの作品、「CoRich舞台芸術!まつり2013春」でグランプリを取った作品の再演なんですよね。
2013年の「CoRich舞台芸術!まつり」といえば、犬と串「左の頬」が最終選考10組にまで残った年。
つまり「黒塚」にはちょっとした悔しさを持っているわけです、犬と串劇団員としては。
というわけで、「どんだけおもろいか見せてもらおうじゃないか、ええ?」みたいな、いやこれは80倍増しぐらいで誇張した表現ですが、兎にも角にも、面白いことは想定済みです、みたいな感じで観に行ったんです。
そしたらね、

想定、超えてきました。

やばかったです……。圧倒されました……。
芝居に飲み込まれちゃった感覚。
終演後、出演されていた福原冠さんともお会いしたのですが、その時になっても言葉がうまく出てこなったですもん。
「面白かったです。凄かった」としか言えなかった。

ストーリーはとってもシンプルで、
老女に宿を借りた修行僧たち。老女は「奥の部屋を覗くな」と言って外へ。しかし覗くなと言われると覗きたくなっちゃうのが人の性……
みたいな。ってこれはあまりにも雑なまとめですが。
そんな話を、平台組み合わせただけじゃん!なこれまたシンプルな舞台美術の上で展開していくわけです。
そしてそれが滅茶苦茶面白い!
序盤から結構笑わせてくれますし、「覗き」と同時にEDM調の曲がかかる中盤のゾクゾク感、そこから語られる老女の過去でググーッともう一段階深いところまで心掴まれ、
そして終盤はもう……椅子に縛り付けられたようになって観ていました。
出演者が本当に皆さん素晴らしくて、そしてこれ散々言われているんでしょうけど、老女を演じた武谷さん、凄まじすぎます……。
劇場を鷲掴みにして叩き付けるぐらいの圧と、そしてその奥にある哀しみが。嗚呼。
しかも立っているだけで、かっこよかったし美しかった。ひゃ〜。
木ノ下歌舞伎も、あと杉原邦生さんの演出も、今後は積極的に観ていこうと思ったのでした。
や〜! もう1回観たいわ!!

……けど、それは叶わぬ想いなので(チケット売り切れらしいし、あとスケジュール的にも……)、心に残っている「黒塚」の情景を反芻しつつ、今日は寝ようと思います。
おやすみなさい。

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